「年収の壁」問題、当面の対応策が決定
「年収の壁」問題、当面の対応策が決定
8月の小欄で紹介した働く女性の活躍の場を狭める要因にもなっていた、「年収の壁」問題への対応策が示されましたので紹介します。
人手不足への対応が急務となる中、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりに向けた厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」が9月27日に公表され、同日の全世代型社会保障構築本部で決定されました。
これを受け、10月からその具体策が逐次実施されていくことになりました。
まず、従業員101人以上(2024年10月以降は51人以上)の企業で社会保険への加入が必要となる年収「106万円の壁」で発生する事業主・労働者の保険料負担への対応については
①キャリアアップ助成金を新設し、労働者の収入を増加させる取り組みを行った事業主に対して、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースも含め、労働者1人当たり最大50万円の支援を一定期間行う
②新たに適用となった労働者に事業主が給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができ、この手当については、被用者保険適用に伴う本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定から除外する
とした負担軽減策が打ち出されました。
事業規模にかかわらず社会保険への加入が義務付けられる「130万円の壁」への対応については、年収130万円を超えることが見込まれる場合に直ちに被扶養者認定を取り消すのではなく、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な増収である旨の事業主の証明を添付することで、被扶養者認定の迅速な判断を促し、引き続き被扶養者にとどまることが可能となるような考え方が示されました。
今回の措置は、2025年の年金制度改革を視野に置いたもので、今後、同改革に向けて抜本的な対策が検討されることになります。
【コラムは無断転載禁止】
抜本的な対策を今後検討
8月の小欄で紹介した働く女性の活躍の場を狭める要因にもなっていた、「年収の壁」問題への対応策が示されましたので紹介します。
人手不足への対応が急務となる中、短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりに向けた厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」が9月27日に公表され、同日の全世代型社会保障構築本部で決定されました。
これを受け、10月からその具体策が逐次実施されていくことになりました。
まず、従業員101人以上(2024年10月以降は51人以上)の企業で社会保険への加入が必要となる年収「106万円の壁」で発生する事業主・労働者の保険料負担への対応については
①キャリアアップ助成金を新設し、労働者の収入を増加させる取り組みを行った事業主に対して、複数年(最大3年)で計画的に取り組むケースも含め、労働者1人当たり最大50万円の支援を一定期間行う
②新たに適用となった労働者に事業主が給与・賞与とは別に「社会保険適用促進手当」を支給することができ、この手当については、被用者保険適用に伴う本人負担分の保険料相当額を上限として、最大2年間、当該労働者の標準報酬月額・標準賞与額の算定から除外する
とした負担軽減策が打ち出されました。
事業規模にかかわらず社会保険への加入が義務付けられる「130万円の壁」への対応については、年収130万円を超えることが見込まれる場合に直ちに被扶養者認定を取り消すのではなく、人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な増収である旨の事業主の証明を添付することで、被扶養者認定の迅速な判断を促し、引き続き被扶養者にとどまることが可能となるような考え方が示されました。
今回の措置は、2025年の年金制度改革を視野に置いたもので、今後、同改革に向けて抜本的な対策が検討されることになります。
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