止まらない少子化、高齢者の増加

止まらない少子化、高齢者の増加
2025年以降を見据えた議論を

 新年早々、発生した能登半島地震により甚大な被害が生じ、2日には痛ましい航空機事故も起きました。
亡くなられた方がたにはお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方がたにお見舞い申しあげます。
一日も早く日常生活に戻られることを願ってやみません。

 今年は思いもかけない出来事から始まりましたが、一方でわが国の少子化はとどまるところを知りません。
昨年末、総務省が公表した辰年生まれの人口は、約1005万人(男性488万人、女性517万人)、十二支の中では9番目の低さです。
2005年生まれの新成人人口は約106万人(18歳)で前年より6万人減少と過去最低を更新し、少子化が進んでいるのが見て取れます。

 政府は、少子高齢化対策に向けて昨年、全世代型社会保障制度の構築に向けた健保法の改正やマイナンバー法等の改正を行ったほか、「異次元の少子化対策」の一環として、いわゆる「年収の壁問題」への対応も講じました。
この4月からは、現役世代の負担を軽減するため、出産育児一時金に係る費用の一部を75歳以上の後期高齢者の保険料から支援する仕組み(保険料の上限を24年度と25年度に段階的に引き上げ)が始まります。
また、効率的・効果的な医療の提供等を推進するため、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を本年12月2日に行うことが決定されました。

 さらに本年は、少子化対策の財源を確保するための「支援金制度」の具体化に向けた検討が見込まれますが、徹底した歳出改革も行うなど現役世代の理解を得ることが求められます。

 ご存じのように2025年には団塊の世代が全て後期高齢者となり、これ以降、生産年齢人口の減少が加速化する一方、高齢者は増え続けます。
今こそ、〝2025年以降〟を見据え、医療保険制度の持続性を確保していくための議論を始めることが必要です。

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2024年02月02日