健康保険組合全国大会を開催
現役世代を守るための改革断行を!
健康保険組合全国大会を開催
厚生労働省が10月24日に公表した「毎月勤労統計調査」の2024年8月分の確定値によると、基本給や残業代などを合わせた現金給与総額は29万6154円、前年度比2.8%増で32カ月連続のプラスでした。
しかし、物価の変動分を反映した実質賃金は▲0.8%と3カ月ぶりにマイナスに転じました。
実質賃金は本年6月、27カ月振りにプラスに転じたばかりでした。
今回のマイナスは、物価の上昇に賃金が追い付いていないことを示唆しており、今後の動向が注目されるところです。
このような状況の中、健保連は同24日、健康保険組合全国大会を都内で開催しました。
大会のテーマとして「現役世代を守るための改革断行を! ―2025年を乗り越え、未来につながる皆保険制度に―」を掲げその実現に向けて、
①皆保険を全世代で支える持続可能な制度の実現
②医療の効率化に資する医療DXの推進
③安全・安心で効果的・効率的な医療提供体制の構築
④健康寿命の延伸につなげる健保組合の役割強化
――の4つのスローガンに基づく決議を健保組合の総意として採択しました。
未曽有の超高齢社会にあって、現役世代は健康保険料の一部を高齢者医療へ拠出しており、この拠出金は健保組合支出の4割強を占めています。
来年は、団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となるため、今後、高齢者医療への拠出金が一層増加し、制度を財政面で支える現役世代の負担が限界を超えることが強く危惧されています。
国民皆保険制度を次世代へ残していくためには、特に「現役世代の負担軽減」や「世代間の給付と負担のアンバランス解消」が不可欠。
「負担は現役世代、給付は高齢者」という仕組みを改め全世代が納得して負担しあう持続可能な制度とするための改革断行が急務となっています。
こうした改革に向けた国民的議論が、節目となる25年に行われていくことを期待します。
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