仕組みを知り「自分ごと」として捉える
国民負担率から医療費の問題まで
仕組みを知り「自分ごと」として捉える
財務省は3月5日、2025年度の国民負担率が46.2%になるとの見通しを公表しました。
国民負担率とは個人や企業など国民全体の所得に対する税金と社会保険料の負担割合です。
今年度は、24年度に実施された定額減税がなくなった影響で0.4ポイントの増加が見込まれています。
20年前の国民負担率は35%程度でしたが、人口の高齢化などに伴う社会保障給付費の増加により、13年度以降は40%超となっています。
また、厚生労働省は従業員5人以上の事業所3万余りを対象に行う「毎月勤労統計調査」の昨年1年分の確報値を公表しました。
これによると物価の変動分を反映した実質賃金は速報値の▲0.2%を上回る▲0.3%と3年連続のマイナスです。
このような中にあって「社会保険料の負担がもう少し軽くなれば」と感じた方もいるかもしれません。
医療保険についていえば、「団塊の世代」が全員75歳以上に移行する「2025年」を迎え、今後、現役世代から高齢者医療への支援(拠出金)が急増することが懸念されています。
これまで健保連は、「現役世代の負担を軽減していく」必要性を関係方面に訴えてきました。
最近、その重要性が世間に認知されてきましたが、医療保険制度における世代間の給付と負担のアンバランスの解消や応能負担の推進に向けた高齢者の窓口負担割合の見直しなど取り組むべき課題はまだ残っています。
今、大事なことは2025年以降も少子高齢化が続く中、医療費と現役世代の負担がより増大していく可能性があるという危機感を国民全体で共有し、その上で組織や個人の立場で何ができるかをそれぞれが考え、実践していくことです。
健保連、健保組合は今後もこうした視点に立った活動に取り組んでいきます。
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