医療保険制度改革の方針決定

医療保険制度改革の方針決定
現役世代の負担軽減に向けた改革の実施を要望

 政府は、昨年末に医療保険制度改革の方針などを踏まえた来年度の予算案を閣議決定しました。
この改革は、現役世代が減少し高齢者数がピークを迎える2040年ごろを見据えた「全世代型社会保障」の構築に必要な政策となります。
今回の方針には、増大する医療費への対応や応能負担の在り方を基本理念とする高額療養費制度の見直しや現役世代の保険料負担の軽減を目指す
「OTC類似薬」の保険給付範囲の見直しが盛り込まれました。
高齢者医療における負担の在り方に関する具体的な制度設計は2027年度中に行うことと整理されました。

 患者負担に月ごとの上限を設ける「高額療養費制度」では、今年8月から現行の「自己負担限度額」が引き上げられるほか、2027年8月からは限度額を定める所得区分が細分化されます。
低所得者や長期療養者に配慮した仕組みも取り入れつつ患者負担を段階的に増やすことで、厚生労働省は、健保組合における加入者1人当たりの保険料軽減効果を▲2100円と試算しています。

 一方、医療用医薬品のうち一般用医薬品と同じ有効成分を含み、用法・用量や効能・効果が似ている「OTC類似薬」については、患者の状況や負担能力に配慮しながら「特別の料金」を求める新たな仕組みが創設されます。
皮膚保湿剤や抗アレルギー薬など77成分(約1100品目)を対象に、「薬剤費の4分の1」を患者本人の自己負担に上乗せする方針が示され、2027年度中の実施に向けた法改正を予定しています。
今後、患者などへの丁寧な周知・広報が求められるでしょう。

 今回の改革で一定の保険料軽減効果が見込めるものの、過重な負担をしている現役世代の保険料負担の抑制を最優先に取り組まなければ医療保険制度を維持していくことはできません。
健保連・健保組合は、昨年9月発表の『「ポスト2025」健康保険組合の提言』を踏まえ、現役世代の負担軽減に向けた改革の実施を引き続き強く要望していきます。

 

【コラムは無断転載禁止】

 

 

2026年02月02日