「かかりつけ医」のあり方に一石

新型コロナ収束後の対応を含め「かかりつけ医」のあり方に一石

 政府が毎年6月後半に策定する「骨太方針」。
骨太方針は来年度の予算編成や今後の制度改革の方向性を決める重要な基本方針です。
それに大きな影響を与える経済財政諮問会議(議長:菅義偉内閣総理大臣)が4月下旬に社会
保障制度をテーマに開催されました。

 議題のうち注目されるのは、コロナ禍への対応とこれを踏まえた今後の少子化対策を含む社会保障制度改革です。
麻生太郎議員(財務大臣)は、少子化は国難というべき大きな問題で、将来の子どもに負担を先送りすることのないよう安定財源を確保し取り組みを進めるべきと述べたほか、「医薬品の保険給付範囲の見直しを行うとともに医療費適正化対策のあり方の見直し」「後期高齢者医療制度のさらなる改革を通じた現役世代の負担の軽減」「かかりつけ医の制度化等の推進」などを骨太方針にしっかり反映していただきたいと、医療保険制度が直面している課題と健保組合の現状を踏まえた発言をしています。

 今回のコロナ禍の実態を踏まえ、今後国民が安心できる安全で効率的な医療の実現が求められます。
麻生議員の発言の中で特に注目されるのが「かかりつけ医」の制度化です。

 「かかりつけ医」という言葉はかなり以前から使われ浸透している言葉ですが、実は明確な定義がありません。
そのため、かかりつけ医を探そうとすると、具体的にどうしたらよいか分からない人が多いのではないでしょうか。
発言はこれに一石を投じるものです。健保連も6月7日に公表した「骨太方針」に対する要望書で、かかりつけ医の推進を盛り込んでいます。

 今回の発言をもとに、あらためて国民が求める「かかりつけ医」の機能とは何かを明確にし、これを推進していくために制度化の枠組みを検討していく必要があります。
そのためにも国民の理解が欠かせません。併せて、かかりつけ医の情報の見える化を進めていくことが求められます。

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2021年07月01日