緊急事態宣言は拡大、延長へ
若い世代中心に感染者が激増
緊急事態宣言は拡大、延長へ
新型コロナウイルスの感染者数が増大している中で、東京五輪が開催され、17日間の熱戦を繰り広げ幕を下ろしました。
その間、新規感染者数は7月29日、全国で1万人を突破、2週間後の8月13日には2万人を超えました。
関東では東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で過去最多を更新、関西でも大阪府を中心に拡大し続けています。
特に都市部の繁華街では若い世代を中心に人出が増え続け、度重なる緊急事態宣言で自粛効果が機能しなくなったかのようにみえます。
この状況に、政府はさらに緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象を拡大しましたが、新型コロナの感染拡大は収まらず、8月17日には緊急事態宣言に7府県追加の13都府県、まん延防止等重点措置に10県追加の16道県に拡大。
期間も9月12日まで再延長しました。
新型コロナの感染拡大が収まらない原因の一つに、1年以上にわたる自粛生活を強いられた若い世代を中心に、「もう限界」という心理が強く働いていることがあげられます。
政府も対応を検討していますが、これといった決め手を欠きこのままでは、自粛疲れからの緊張の緩みによる人流の増加に歯止めがかからず、感染者が激増し続けることが危惧されます。
期待されているワクチン接種は、2回接種した高齢者の割合が7月末に8割を超え、高齢者の感染者・重症者数は大幅に減っていますが、若い世代にはワクチンの供給量が十分でないこと、また一部では副反応を警戒し接種に積極的でないことや、感染力の強いデルタ株の猛威などが、感染増加に拍車を掛けている一因になっています。
医療では、感染への懸念による医療機関への受診の減少で医療費が対前年度比で若干減少傾向にあります。
一方で活動自粛による経済の停滞で保険料収入が減少している健保組合も多く、今後、受診控えによる重症者の増大などで医療費の急増が予想されるなど、健保組合にとっても予断を許さない状況が続きます。
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