マイナンバーカードの保険証利用

 本来10月は1年で最も快適で活動しやすい月ですが、今年もコロナ禍での自粛生活が続きます。
「外で思いっきり遊びたいのに」「美味しいものを食べに行きたいのに」――ままならないもどかしさがちまたにあふれています。
新型コロナが収束しない中、特に飲食業、旅行業、旅館業などの業種では事業を縮小、廃止せざるを得ないところ、さらに廃業に追い込まれたところも数多くあり、社会全体に不安と諦念が満ちているのが感じられます。

 一方、この自粛期間で生活様式が劇的に変化したことも事実です。
一つは人々の創意工夫によるサービス提供の変化です。従来の対面を中心としたサービスから、オンライン決済による通信販売や飲食デリバリー等ネットを活用した消費者へのサービスが充実してきました。
以前からこうしたサービスは存在していましたが、今回のコロナ禍が促進させた面を否定できません。

 コロナ禍は図らずも政府によるICT化の推進も後押ししました。
その一環としてテレワークの推進は従来の働き方の概念を大きく変えました。WEB会議の導入や行政機関への電子申請や提出書類への押印廃止、医療におけるオンライン診療の推進なども始まっています。

 以前、国はマイナンバーカードを健康保険証として利用したオンライン資格確認の4月実施に向けたプレ運用を開始すると紹介しました。
実はシステムの不具合などが重なり延期され、この10月からスタートします。
現在急ピッチでマイナンバーカードの取得促進やオンライン資格確認システムへの入力作業を行っています。

 1年余で退陣した菅義偉前首相肝いりのデジタル庁も9月1日に発足しました。
今後、利用者である国民の目線に立った信頼・安心かつ使いやすいシステムを構築することができるかどうかが問われます。
政府が提唱するデジタル化を実現し、ポストコロナの新しい社会をつくることへの試金石になるといってもよいでしょう。


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2021年10月06日