コロナ禍でがん検診受診者数が激減

コロナ禍でがん検診受診者数が激減早期がんの発見遅れを懸念

 新型コロナ感染者数が8月下旬から全国的に減少し続け、東京都では最高時の10分の1にまで下がったことなどを受けて、政府は10月1日、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を全国一斉に解除。
その後も感染者数は減少しています。

 減少した要因に、高齢者の高いワクチン接種率に加え、若人世代への接種機会の拡大があるのは事実ですが、それ以外の要因はまだ究明されていません。
ワクチンの効果の持続期間という面から、ワクチン接種3回目の実施の検討を含め、将来に向けて各対策の効果検証を行う必要があります。
またワクチンは完全に感染を防止するものではないため、今後も引き続き人前でのマスクの着用や手洗い・うがいの励行などを継続していくことも必要です。

 最近、気になる調査の結果が公表されました。
新規の胃がん患者や早期の大腸がん患者の診断数が減少する一方、診断時にがんのステージが進行、重症化したということです。
報告したのは横浜市立大学医学部の研究グループ。
コロナ禍の影響による受診抑制で新規の早期胃がん患者数、早期大腸がん患者数が新型コロナの感染が拡大した2020年3月以降を流行期として流行期前の期間と比較したところ、それぞれ28.9%、13.5%減少した一方で、診断時のステージ別では特に大腸がんのステージⅢは68.4%と進行した状態でがんが発見される例が増加したとのことです。

 報告書は、過度な受診抑制を行わず、適切なタイミングで健診・医療機関を受診することが重要だと注意喚起しています。

 頭では理解していても、新型コロナ感染が怖いと二の足を踏む人も多いことでしょう。
しかし、新型コロナの研究やワクチン接種も進んでおり、健診機関などでは、予約制や人数調整などによる「密」の回避、検温や消毒などの感染防止対策を取っています。
後悔しないためにも年1回は、自分の体をチェックしておきましょう。

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2021年11月01日