感染者激増で幕を開けた2022年

感染者激増で幕を開けた2022年山積する難題をどう解決するのか

 2022年はオミクロン株による新型コロナ感染者の激増で幕を開けることになりました。
感染力が非常に強いオミクロン株は世界中で猛威を振るっていますが、わが国では昨年11月末に海外からの渡航者から発見されたのを機に、国内でも12月中旬から感染者が徐々に増えはじめ、感染経路が特定できない市中感染が増えるなど、感染の再拡大が懸念されていました。

 年末年始は2年ぶりに故郷で過ごす人たちや観光客も増え、経済にも明るい兆しがみえたのですが、年が明けるとわずか1週間で感染者が激増。
政府は増加が著しい沖縄、山口、広島の3県を「まん延防止等重点措置」の対象としましたが、さらなる拡大を受け1都12県を追加しました(1月19日現在)。
第6波に突入したとの見方もあり、予断を許さない状況が続きます。

 また、22年は社会保障制度にとっても大きな問題を抱えています。
団塊の世代が今年から25年にかけて75歳に到達するからです。
75歳以上が加入する後期高齢者医療制度には現役世代の保険料から4割強の支援を行っており、今後その負担が現役世代に重くのしかかってきます。
既に一定の所得のある後期高齢者の方には10月から窓口2割負担が導入されますが、対象者は一部に限られ焼け石に水の感があります。 

 今後、残された時間が少ない中で、政府が新型コロナの収束に向けた対策や安定した社会保障制度の構築など、山積する難題にどう最適解を導き出すのか注視していく必要があります。

 最後に少し明るいニュースを。
セルフメディケーション税制は昨年末までの限定措置でしたが、引き続き26年末まで5年延長されました。
健康管理の取り組みに関する書類の確定申告書への添付も不要(ただし5年間保存)となり、簡便化されました。
なお、従来のOTC医薬品の医療費適正化効果が薄いものを対象外とする他、逆に同効果の高い医薬品が追加されました。

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2022年02月02日