骨太方針にみる今後の社会保障
かかりつけ医機能の制度整備など骨太方針にみる今後の社会保障
政府が6月に決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太方針2022)には、健保組合、健保連が長年主張してきた事項の多くが取り込まれました。
その最たるものが、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」です。
かかりつけ医という言葉自体は一般に浸透していますが、実はこれまで明確な定義や根拠がありませんでした。
今後、コロナ禍の教訓も踏まえ、かかりつけ医に求められる機能が制度上明確に定められ、その機能を備えた医療機関(医師)を国民が探し、選びやすくするためのさまざまな環境整備が順次進められ、安全・安心で効率的・効果的な医療が受けられることが期待されます。
また、社会保障分野でのDXを含む技術革新を通じたサービスの効率化・質の向上が指摘され、前月紹介したもの以外では、オンライン資格確認の推進が挙げられます。
保険医療機関・薬局に対し来年4月以降の導入を原則義務化するとともに、24年度中を目途に保険者の保険証発行の選択制の導入および、オンライン資格確認の導入状況等を踏まえて、原則保険証の廃止を目指すとの方針が明記されました。
これを受けて厚生労働省から健保組合に対し、マイナンバーカードの取得や同カードの健康保険証利用申し込みへの協力依頼の通知がされたところです。
このほか、4月の診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋についてもその普及・定着の実現を目指すとしています。
同処方箋の解禁を主張していた健保連も6月下旬にホームページに、その仕組みや活用に当たっての留意点などを掲載し理解と周知を行いました。
骨太方針には少子化対策、全世代型社会保障の構築など各分野で盛りだくさんの項目があります。
7月の参議院選挙は与党が圧勝し、いわゆる「黄金の3年間」が始まるといわれていますが、この間政府には早急に解決すべき医療保険制度の課題を確実に実行してもらいたいものです。
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