健保組合全国大会を開催

喫緊の4課題をスローガンに掲げ 健保組合全国大会を開催

 今年も年の瀬を迎えました。
振り返ると、この1年ほど将来への不安と不透明さを感じた年はなかったのではないでしょうか。
コロナ禍が3年目を迎える中、2月のロシアのウクライナへの侵攻は世界の平和と経済の足元をすくいました。
その影響で食料品や日用品などの相次ぐ値上げ、物価の急上昇に加え、異常気象による自然災害の増加、少子高齢化の進行に伴う人口減少など、枚挙にいとまがありません。

 2022年は健康保険法制定から100年となる節目の年です。
一方、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり始める年でもあり、本年から今後数年が、わが国の医療保険制度の大きな分岐点になるといっても過言ではありません。

 健保組合・健保連は10月18日、全国大会を都内で開催しました。
3密を避けるため開催時間を縮め、参加者を限定するなど感染防止対策を徹底し、オンラインによる同時配信も実施しました。
大会のテーマは「―健康保険法制定100年―これからも健康を支え、皆保険を守る健保組合であるために」。
その実現に向けて、①現役世代の負担軽減、全世代で支え合う制度への転換、②国民が身近で信頼できる「かかりつけ医」の推進、③オンライン資格確認などICT化の推進による医療の効率化・質の向上、④健康寿命の延伸に向けた保健事業の更なる推進――の4つの目標をスローガンに掲げました。

 政府も、この主張に沿った社会保障制度の改革の議論を進めており、年末に「報告」を取りまとめ、この報告を踏まえ、年度内に中長期的な課題に関する具体的な改革事項を工程化する予定です。

 コロナ禍の3年間で私たちの生活や社会は一変しました。
その中で医療提供体制の脆弱性や社会経済低迷の影響による現行制度のほころびがあらわになりました。
来年こそはこれらの問題が少しでも解消し、明るい年となることを期待したいものです。

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2022年12月05日