今年も制度改正の議論を継続
少子高齢社会における制度維持に向け
今年も制度改正の議論を継続
謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
本年も健保組合・健保連は、皆さんの健康維持・増進のための事業をはじめ、将来も安心して医療が受けられる医療保険制度の実現に向けた活動に取り組んでまいります。
厚生労働省は昨年11月末、2020年度の医療機関に支払われた医療費の総額である国民医療費が42兆9665億円、国民1人当たりで34万円強――と過去最高であった前年度に比べ、3.2%減少していることを公表しました。
減少の主な理由は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う受診控えの影響とみられています。
ただし構成割合をみると、65歳以上が全体の61.5%、うち75歳以上が39.0%といずれも前年度を上回りました。
少子高齢化の進展に伴い、高齢者の医療費の割合が増大しており、それはそのまま現役世代の負担増につながります。
既にお伝えしたとおり、「全世代型社会保障制度」の構築に向けて、昨年はいくつかの制度改正が行われましたが、今年も引き続き、「かかりつけ医」の制度整備、介護保険制度の見直し、さらに年金制度の見直しに向けた議論も進みそうです。
さて、今年の干支は「癸卯(みずのとう)」。
癸には「物事の終わりと始まり」を意味するほか「春間近でつぼみが花開く直前」の意味も、卯には「冬の門が開き、飛び出る」という意味があり、癸卯はこれまでの努力が花開き、実り始めるというイメージです。
過去の卯年をみても、時代の終わりや始まりを告げる出来事が多く起きているとのことです。
この3年間、コロナ禍で従来の生活に制限がかかり、息苦しい状況にありました。昨年から徐々に通常の生活に戻りつつありますが、第8波の到来もあり予断を許しません。
干支の意味するとおり、今年こそコロナ禍が一日も早く収束するとともに、将来を見据えた持続性のある医療保険制度の構築に向けて、大きく踏み出す年にしたいものです。
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