少子化対策に向けて本腰
出産育児一時金の引き上げなど
少子化対策に向けて本腰
昨年末に総務省が公表した卯(う)年生まれの人口は約997万人で、男性485万人、女性513万人、十二支の中では10番目の低さです。また、新成人の人口は約341万人ですが、成人にかかる民法改正により、18歳(112万人)、19歳(113万人)、20歳(117万人)を含めたものとなっています。この数値からも少子化が進んでいるのが見て取れます。
政府の全世代型社会保障構築会議(座長・清家篤氏)は昨年12月16日、社会保障の取り組むべき課題や今後の改革の工程を明示した報告書を取りまとめ、岸田文雄首相に提出しました。
報告書では、こども・子育て支援について、足元の課題として、「出産育児一時金の引き上げと出産費用の見える化」等を掲げるとともに、今年早急に具体化を進めるべき事項として、こども・子育て支援の安定的な財源について、企業を含めた社会全体で連帯し、公平な立場で広く負担し、支える仕組みの検討を指摘しています。
国の審議会である医療保険部会も、出産時に公的医療保険から支給される「出産育児一時金」を来年度に42万円から50万円に引き上げ、その財源の一部を現役世代の負担軽減のため75歳以上の後期高齢者の保険料を増額して対応する案が了承されました。
今回の負担増については激変緩和措置が取られ、保険料の賦課限度額と所得割のかかる一定所得以下の人の保険料を25年度まで2年かけて段階的に引き上げます。
岸田首相は年頭の記者会見で「異次元の少子化対策」を行うと異例の発言を行いました。
政府も少子化対策が避けられない緊急の課題だと認識し、今後財源の手当てを含め、本腰を入れて取り組む方針です。
その他、先の報告書では、「勤労者皆保険の実現に向けた短時間労働者の被用者保険適用拡大」、「かかりつけ医機能を発揮するための制度整備」など重要な課題が盛られており、今後の動向が注目されます。
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