期待される女性活躍の環境整備
「女性版骨太の方針2023」
期待される女性活躍の環境整備
政府は6月16日、国の予算編成や経済財政運営の指針となる「骨太の方針2023」を決定しました。
多岐にわたる課題の中で女性の活躍にも焦点を当てています。
その前提になったのが「すべての女性が輝く社会づくり本部」と「男女共同参画推進本部」の合同会議が13日に決定した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023」(女性版骨太の方針2023)です。
同方針では、全ての人が生きがいを感じ、多様性が尊重される持続的な社会の実現のため①女性活躍と経済成長の好循環の実現に向けた取り組みの推進、②女性の所得向上・経済的自立に向けた取り組みの強化などが重点事項に挙げられています。
①では女性登用を加速化するため、プライム市場上場企業において、2025年を目途に女性役員を1名以上、30年までに女性役員比率を30%以上の数値目標を設定、②では被用者が新たに106万円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせないための当面の対応を今年中に実行し、さらに制度の見直しに取り組むとしています。
注目されるのはこの「年収の壁」問題。
結婚後、パートで働く女性には4つの年収の壁があります。まずは税金の壁で103万円を超えると所得税がかかります。
次は社会保険の壁で、従業員数101人以上(24年10月以降は51人以上)の企業では社会保険への加入が必要となり、第1の壁として収入106万円超で発生する保険料の負担があります。
第2の壁が130万円で企業規模にかかわらず社会保険への加入が義務付けられます。
最後が再び税金の壁で150万円を超えると、夫の配偶者特別控除額が段階的に減少していきます。
パートの方は、この103万円や106万円を超えないよう勤務時間等を調整するのですが、これが低賃金や女性の活躍の場を狭める要因と指摘されており、この解決に向けた政府の対応が注目されます。
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