将来を見据えた制度の構築を
少子高齢化で増大し続ける医療費
将来を見据えた制度の構築を
謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
本年も健保連・健保組合は、皆さんの健康維持・増進のための事業をはじめ、将来も安心して医療が受けられる医療保険制度の実現に向けた活動に取り組んでまいります。
厚生労働省は昨年10月24日、2021年度の国民医療費が45兆359億円、国民1人当たりで35万円8800円と、前年度に比べ4・5%増加し、過去最高となったことを公表しました。
増加の主な理由は、人口の高齢化や医療の高度化に加え、新型コロナの感染拡大に伴う前年度の受診控えの反動も大きな要因として挙げられています。
構成割合をみると、65歳以上が全体の60・6%、うち75歳以上が38・3%といずれも高い比率を占めています。
少子高齢化の進展に伴って、高齢者医療費の割合は増大しており、それは現役世代の保険料負担によって支えられています。
既にお伝えしたとおり、昨年は「異次元の少子化対策」の号令のもと、「年収の壁問題」などの見直しが行われました。
今年も引き続き、少子化対策の財源を確保するための「支援金制度」の具体化に向けた国の検討が進みそうですが、少なくとも負担する現役世代の理解と納得が得られる仕組みとすることが不可欠です。
さて、今年の干支は「甲辰(きのえたつ)」。
甲は10年を1サイクルとする十干(じっかん)の初めの年で、勢いを増していく年と言われています。
辰は十二支の中で唯一の架空の生き物、「龍(りゅう)」を意味し、水や海の神としてまつられ、大自然の躍動やめでたいことの象徴として伝えられてきました。
甲辰である本年は物事が良い方向に伸びていく年となることが期待されます。
干支の意味するとおり、時勢が大きく変わり、閉塞感や未来への不安が少しでも払しょくされるよう、将来を見据えた持続性のある医療保険制度の構築に向けて、大きく前進する年にしたいものです。
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