将来世代が希望を持てる制度改革を!

将来世代が希望を持てる制度改革を
健康保険組合全国大会を開催

 この1年を振り返ると、新型コロナが、インフルエンザと同じ「5類」に移行し、普通の生活に戻りつつある一方、夏、秋ともかつてない記録的な猛暑に。
外に目をやれば世界規模での異常気象やロシアによるウクライナへの軍事侵攻が依然として続く中、新たにイスラエルとイスラム組織の間で軍事衝突が勃発するなど、世界中で変動が多かった年と言っても過言ではありません。

一方、わが国の少子化は止まらず、出生数は過去最少を更新しました。
岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」を掲げ、本年6月に策定した「加速化プラン」の具体化や安定的な財源の確保に向けた議論を年末に向けて重ねています。

 その財源について11月9日、こども家庭庁の有識者会議で医療保険料に上乗せして徴収する「支援金制度」が提案されました。
政府は、徹底的な歳出改革等も行い、全体として追加負担とならないことを目指すとしていますが、健保連は「税や一般的な社会保険とは性質が異なる。国がしっかり合理的な説明をし、国民に納得してもらう必要がある」と意見を述べました。

 健保連は10月25日、健保組合全国大会を都内で開催し、昨年に引き続きオンラインによる同時開催も実施しました。
大会のテーマとして「将来世代が希望を持てる制度へ!医療DXを推進し、改革実現と健保組合のさらなる機能強化を」を掲げ、その実現に向けて
①社会情勢の変化を見据え、全世代で支え合う制度へ
②医療DXを推進し、国民の健康と安心を確保
③安全・安心で効果的・効率的な医療提供体制の構築
④保険者機能の推進による健保組合の価値向上――の4つのスローガンに基づく決議を健保組合の総意として採択しました。

 これらは少子高齢化が急速に進む中で、医療保険制度を維持していくための最低限の主張です。
来年こそ将来世代が希望を持ち、未来への不安が少しでも払拭され、明るい年となるよう期待したいものです。


【コラムは無断転載禁止】

2023年12月04日