経常収支は▲1367億円の赤字
2023年度健保組合決算見込み公表
経常収支は▲1367億円の赤字
健保連は10月3日、厚生労働省内で記者会見を開き、2023年度健保組合決算見込みと今後の財政見通しを公表しました。
1379組合の決算見込み(8月時点)を基に、2023年3月末時点に存在する1380組合の財政状況を推計しその結果を取りまとめたものです。
2023年度の決算見込みは経常収入総額8兆8313億円、経常支出総額が8兆9680億円となり、経常収支差引額は▲1367億円の赤字です。
収支は前年に比べて悪化し、全体の5割を超える726組合が赤字となりました。
なお、赤字組合の収支差引額は▲2867億円となっています。
保険料収入が、対前年度比2.7%(2295億円)増加した一方、保険給付費は新型コロナほか呼吸器系疾患などの流行により、2022年度に続き5.3%(2398億円)と大きく増加しています。
さらに、高齢者医療への拠出金が7.3%(2469億円)増加しており、中でも団塊世代が75歳に到達した影響により、後期高齢者医療への支援金が9.6%(1884億円)と大幅に増加しています。
今後の健保組合財政の見通しについては、本年の春闘に伴う賃金引き上げ効果による保険料収入の増加が見込まれる一方、団塊世代の75歳到達により支援金が増加し、2024年度以降も拠出金の増加傾向が続くことから、健保組合財政に対する影響が危惧されるとしています。
さらに、新型コロナの影響前からみた2024年度の財政見通しとして、拠出金が対2019年度比12.2%(4200億円)と保険料収入の伸び(11.2%)を上回って増加し、2025年度以降も毎年1000~2000億円増加する見込みを示しました。
保険給付費は対2019年度比19.0%(7800億円)と大幅な増加を見込んでいます。
今回の決算見込みと今後の財政見通しを踏まえ健保連は、現役世代の負担軽減に向けて、高齢者医療制度における窓口負担割合などの見直しが必要だと指摘しています。
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