現役世代が納得できる改革の実行を
持続可能な医療保険制度の構築に向けて
現役世代が納得できる改革の実行を
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
本年も健保連・健保組合は、皆さんの健康維持・増進のための事業をはじめ、将来も安心して医療が受けられる医療保険制度の維持に向けた活動に取り組んでまいります。
厚生労働省は昨年10月に、2022年度の国民医療費が46兆6967億円、前年度に比べ1兆6608億円、3.7%増加し過去最大を更新したことを公表しました。
その主な要因は人口の高齢化や医療の高度化に加え、新型コロナ患者数の増加による影響も指摘されています。
年齢階級別の構成割合をみると、65歳以上が全体の60.2%、うち75歳以上が同39.0%といずれも高い比率を占めており、75歳以上医療費の約4割が、減少が続く現役世代の保険料負担によって支えられているのです。
健保連は10月に開催した健康保険組合全国大会で、「現役世代の負担軽減」や「世代間の給付と負担のアンバランス解消」などの課題に道筋をつけ、皆保険制度を全世代で支える仕組みにしなければならないと決議しています。
11月8日に開催された政府の全世代型社会保障構築本部は、本格的な人口減少と超高齢化社会が進行する2040年を視野に、「現役世代の負担軽減」と「社会保障制度の支え手を増やす」の2点を目指すべき方向性として明示し、この方針に沿って15日の全世代型社会保障構築会議では改革工程の検討状況を踏まえた意見交換が行われました。
この改革工程では、2028年度までに検討する取り組みとして、医療の3割負担の取り扱い、高額療養費自己負担限度額の見直し、医療提供体制改革の推進(地域医療構想、かかりつけ医機能が発揮される制度整備)といった、医療保険・医療制度の持続可能性に関わるものも示されています。
こうした改革が、現役世代はじめ全世代の納得のもとで進むことを強く望みます。
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